デポジットがいつまで経っても返ってこない時は要注意!トラブルが起きた時の対処法について知っておこう!

入居時に支払うデポジット。何もなければ退去後に全額が戻ってくるはずですが、「いつまで経っても返ってこない!」「ムダに多く取られた!」など、トラブルもよく耳にします。
実際私も退去後のデポジットトラブルに見舞われましたが、スキームを通して解決することができました。この記事でその事例とともにシェアしていきます。
同じようなトラブルに見舞われた方の参考になれば嬉しいです。
この記事を読んで欲しい人
✔️ 退去後にデポジット返金の連絡がなかなかこない人
✔️ 退去後にデポジットを多く取られてしまった人
✔️ スキームへclaimする際の流れを知りたい人
デポジットの規定
まずは退去時のデポジットの規定について確認しておきましょう。
デポジットは、“ tenant(借主)とlandlord(大家)がお互いに金額に同意してから10日以内に、landlord または agent が返金しなければならない“ という規定となっています。
「退去してから○○日以内に」という規定ではなく、あくまでお互いに金額に同意してから10日以内という規定となっています。
デポジットは必ず政府公認のスキームで守られています。イングランド、ウェールズでは、Deposit Protection Service, My Deposit, Tenancy Deposit Scheme などがあります。
どこで自分のデポジットが保管されているかは必ずContractに記載があるはずなので、確認してみましょう。

これはシェアフラットも同様です。必ず契約書に記載があるので、できれば契約時に確認しておくのがベストです!
退去時にデポジットが返ってこなかったり、必要以上に取られてしまったときなど、トラブルの際はデポジットが保管されているスキームに自分の意思を主張することができます。
スキーム側が代わりに大家やエージェントとやり取りをし、デポジットの受け渡しがきちんと正当なものになるように審査をしてくれます。
もちろん、借りている間で未払いがあったり、物を破損したりするのはNGですが、そういった問題がなく契約を終えているのにデポジットが多く取られたり返ってこない場合は、スキームを通して問題を解決することができます。
デポジットを多く取られた!事案紹介

ここでは、私自身がロンドンのフラットから退去するときに起きた事案を紹介します。
夫と二人で借りていたフラットに1年住み、契約を終えたタイミングで引っ越したのですが、いつまで経ってもデポジット返金の連絡がこない…!!という時期が2ヶ月以上続き、結局連絡が来たのは退去してから2ヶ月半ほど経った頃でした。
エージェントを通して借りていたので連絡は全て大家ではなくエージェントを通して行なっており、催促の連絡はもちろんしていたのですが、大家側が金額の提示をずっとホールドしている状態で、とにかく待つしかありませんでした。。

大家には一度も会ったことがなかったこともあり、不信感だけが募っていきました…
そしてやっとエージェントを通して大家側からデポジット返金の金額の連絡が来て確認したところ、クリーニング代として約£400を請求されました。
これにはクリーニング業者のインボイスも添付されていました。
この金額に納得がいかず、スキームに連絡することに。納得がいかなかった理由は以下の二点です。
- 契約書には「入居時と同じ状態になるように」「プロのクリーニングは必要であれば依頼すること」と記載されており、必須ではなかった。実際入居時は、綺麗ではあったがプロのクリーニングを頼んだとは思えない状態で、その時と同じ状態になるよう自分たちで掃除できたので、プロのクリーニングは頼まなかった。
- 添付されていたインボイスを確認したところ、クリーニング業者が入ったのは退去の翌日。エージェントと一緒に部屋の状態を確認してしたのは退去日当日だったので、その日に業者を依頼し、翌日にクリーニングに来たことになる。疑問に感じ、クリーニング業者側に確認すると、「依頼されて翌日に行う事はできない」との回答で、大家側がクリーニングを依頼したのは、部屋の状態を確認する前だったということになる。
クリーニングは退去翌日に行われ、金額もその時点で分かっていたはずなのに、連絡が2ヶ月半も経った頃だったのは一番の疑問でした。あとで詳しく説明しますが、実はスキームに主張できるのは退去から三ヶ月以内です。大家側はそれを知った上で、金額の提示をここまで引き延ばしていたのではないかという疑惑に辿り着きました。
ということでスキームに連絡をし、正当な金額で決着がつくように間に入ってもらうことにしました。
スキームにclaimする際の流れ

では実際にスキームに連絡した際の流れを紹介します。
ここでは私の事例である、「デポジット返金の連絡が来たが金額に納得がいかない」という状況でのclaimになります。他のシチュエーションではまた違った流れになるかもしれないので、あくまで参考程度に読んでいただけると嬉しいです。
- ステップ1Contractを確認する
- ステップ2エージェントを通して大家側に自分たちの納得がいく金額を提示する
- ステップ3スキームに連絡し大家側と連絡を取ってもらう
- ステップ4エージェントから全額返金の連絡が来る
では一つ一つ確認していきましょう。
ステップ1:Contractを確認する
スキームにclaimする前に、まずはContractの条件を読み返して、自分たちの状況が正しいのかを再確認します。私たちの場合は、
・ プロのクリーニングを自分たちで頼まなければいけなかったのか
・ 退去時にどの程度まで戻せばよかったのか
このあたりの再確認が必要でした。読み返すと、前述した通り「プロのクリーニングは必要であれば個人で依頼する」「入居時と同じ状態に戻す」という条件が書かれており、自分たちの考えでは、しっかり掃除もして入居時と同じ状態にしたと思っていたので、改めてスキームに連絡することを決めました。
ステップ2 : 大家側に納得がいく金額を提示する
スキームを通す前に、一度は自分たちで金額の交渉をしてみるのも大切です。
私たちは金額には納得いきませんでしたが、自分たちの掃除が手の届かない所もあったのは事実なので、「£100は支払いたい」と、エージェントを通して大家側に申し出ました。ですがその後、それに関しての返信は来なかったのでスキームに間に入ってもらう段階に入りました。
ステップ3 : スキームに連絡し大家側と連絡を取ってもらう
ステップ2まで段階を踏み、ここでようやくスキームに間に入ってもらいます。自分のデポジットが守られているスキームはContractに記載があるのでそこに連絡しましょう。
スキーム側に金額に納得がいかない旨を伝え、すぐに大家側と連絡を取り始めてくれました。この段階ではスキーム側に、特に詳細やこちらが提示したい証拠などを聞かれる事はなく、クリーニング業者が依頼して翌日に来れないことなどは伝えませんでした。
実はスキームへのclaimは、退去してから3ヶ月以内に始めなればならないというデッドラインがあります!
そこを過ぎると法廷に持ち込むなど面倒な状況になるので、claimを検討する場合は早めに行動を開始しましょう。
ステップ4 : エージェントから全額返金の連絡が来る
スキームにclaimしてからすぐに、エージェントを通して「大家側からデポジット全額を返金します」という連絡が来ました。
退去してから金額の連絡を2ヶ月以上も待たせておいて、(しかもクリーニング代に約£400…)スキームを通した途端にすぐに全額返金にコロッと変わったのがびっくりでしたが、自分たちが思っていたよりも良い結果になってホッとしました。
まとめ

デポジットのトラブルはどんな人にも起こりえます。
個人で借りても、シェアハウスでも、不動産エージェントを通してもそうでなくても、どんな状況でも起こり得る事なので、そうなったときに対処できるようにしておくのが大切です。
私は今回のことがあるまで、スキームにclaimできることも、3ヶ月以内の締め切りがあることも全く知りませんでした。
同じような状況の方が、この記事を読んで少しでも参考になれば嬉しいです。
まとめ
✔️ デポジットは必ず政府公認のスキームで守られている
✔️ Contractで退去時の条件を再確認し、納得がいかない場合はスキームへclaimできる
✔️ スキームにclaimするなら3ヶ月以内に始める

